配当可能利益
設備投資額が大きく、毎期の償却負担が重いお客様からお問い合わせ。
「償却前利益(キャッシュベース利益)での配当は可能か」
CIRCULAR No. 186/2010/TT-BTCのArticle3-1によると、配当可能利益は以下の通り。
1)監査報告書記載の純利益、プラス、2)監査報告書記載の利益剰余金(過年度利益)、マイナス、3)予定再投資額
要するに会計上の純利益と利益剰余金が基本となる。
会計上の純利益も利益剰余金も当然ながら償却費は控除後で償却前ではない。よって「償却前利益(キャッシュベース利益)での配当は不可」と思われる。
また、2020 年企業法135条にも
普通株式に対して支払われる配当は,実現された純利益及び会社に留保された利益を財源として引き出される配当支払のための金額に基づき確定される。
との記載があり、この「純利益」「会社に留保された利益」は普通に読めば償却費控除後の利益であり、仮に償却前利益と読むのであれば、その根拠が必要であろう。