ベトナム会計基準(VAS)の特長
■ ベトナム会計基準(VAS)は国際会計基準(IFRS)を意識し近年、コンバージェンスが図られている。よって両者に大差はないと認識している。とはいえVASにはどんな特長があるのか、というお問い合わせを頂いたので、以下は主な点をまとめた。
1)法定の勘定科目表がある(200/2014/TT-BTC)
2)株主資本等変動計算書がない
3)営業利益に金融収支が含まれる
4)土地は利用権なので長期前払費用として計上し償却
5)土地以外の固定資産も長期前払費用として計上するものがある
6)減損の考え方がない
7)退職給付がない(社会保険から支払われる)
■ 日本の親会社からするとVASによって見えないリスクがあるのでは、という点が気になるかもしれないが、それほどナーバスになる必要はない、というのが当方の意見。
■ リスクを挙げるなら、上方リスクとしては土地利用権(償却してることと当地の地価が上昇していることから、含み益を持っている場合がある)、下方リスクとしてはボロボロの事業でも減損されないこと、などの時価評価に関する側面がある。