VISTA MANAGEMENT (VIETNAM)

ベトナム(ホーチミン・ハノイ)、財務コンサルティング、M&Aアドバイザリー、内部統制、投資調査、ライセンス取得、進出支援

ベトナムにおける和牛に関するメモ

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<内容>
ベトナム国内での和牛需要
② 和牛の流通動向
③ 食肉を扱うベトナム国内業者(上位3社)
④ 一般的な和牛単価(100グラムいくら等)
⑤ 和牛を輸出した場合の勝算見込み

 

① ベトナム国内の牛肉需要は2018年からの10年間で約2倍に増加すると予想されている(米国農務省資料;豚肉は1.2倍程度との予想)。日本からベトナムへの骨なし牛肉輸出(多くは和牛とみられる)は2019年実績が前年比で倍増(TPP発効で関税ゼロ化も追い風となった模様)。

② 米国産や豪州産は生産者→輸出商社→一次卸(輸入商社)→二次卸→外食・小売・消費者という流通経路だが、日本産牛肉の流通は2次卸を介した流通は少なく、大部分が一次卸から直接、外食等へ流通している。

③ ジェトロ調査(「日本食品消費動向調査 ベトナム 2017年3月」)では、日本食品を扱う輸入商社として、シンバ(Simba)、フントゥイ(Huong Thuy)、ロータスフーズ(Lotus Foods)などを主な業者として例示している。このうち、シンバ(Simba)について、「2004 年創業のベトナム人が経営する大手日本食輸入卸業者で、日本食レストランやホテルはもちろん、ローカル系のスーパーマーケットまで幅広く対応。取扱商品も生魚など水産物から、酒類、飲料、菓子類、調味料など多岐に渡る」、と紹介している。

④ 当方が好んで買う米国産牛バラ肉は100グラムで200~300円程度(8月17日現在、ホーチミン中心街近くのコンビニ、スーパーマーケット)。なので日本とあまり変わらない。一方、和牛の輸入価格は一番安いもので100グラムあたり10万VND(約500円)、高いものは190万VND(約9,500円)程度の模様。*なお、豪州や米国産の「WAGYU」や、「WAGYU」の遺伝物質を輸入しベトナム国内で肥育した「Viet WAGYU」などもある。

⑤ 所得増加に伴い、ベトナム人の食生活において牛肉需要の拡大が見込まれる。和牛輸出にはTPP発効による関税ゼロ化も追い風。価格を武器とした豪州産に対し、クオリティを重視した日本産和牛も十分に拡大余地があるだろう。このとき、いわゆる非日本産「WAGYU」に対し、差異を消費者にアピールできるかがポイントとなろう。「WAGYU」が拡大する前に、日本産和牛を本物として認知してもらうべく広報活動が必要か。